神山智洋担が東京遠征して舞台「オセロー」を5公演観た。
2年ぶりのはてブです。
久しぶりだなぁ!!! この2年間もかわらず、神山くんを追いかけていました。
ハマりたてでよくわからないままフェスティバルホールに足しげく通っていた私は、無事に(?)オタク2歳になり、
ついに首都東京 新橋演舞場へ通うこととなりました!!!!!
9月2日~26日に公演していたシェイクスピアの「オセロー」を観劇しました。
1回4時間の長丁場、休演日なしの全38公演。
残暑の熱さ、猛烈な台風21号とともに、オタクの戦いが始まった。
第1幕 自担が代役を務める
「ジャニーズWEST LIVE TOUR 2018 WESTival」も終焉を迎え、次の現場を待ちあぐねつつ、 嵐繋がりで10年来の友人になったセクゾ担に誘われほいほい「SEXY ZONE repainting Tour 2018」の参戦準備をいそいそとしていました。
そんな5月3日、ジャニーズ事務局から一通のメールが届きました。
内容は、
「舞台『オセロー』神山智洋の出演が決定しました」
オセロー?シェイクスピア?イアーゴー?
有名ではあるもののシェイクスピアの本に手を出したことのない私は、いったいその人物がどんなキャラクターなのかまったく見当がつきませんでした。
調べる間もなくTwitterのタイムラインには情報が溢れ出し、
イアーゴーのキャラクターとオタクからの配役への感謝の言葉が綴られていました。
他にも、先輩である今井翼さんの代役を任せてもらえる喜びと、有名な作品への挑戦、言い回しへの不安と期待が織り交ざっていました。
なんといっても、「シェイクスピアー」「主演 中村芝翫」さん。
うれしい気持ちの反面、翼くんの想い・翼くんファンの想いが、神山くんにもオタクにも伝わってきたように思い、まだこの頃は「主君を陥れる悪役イアーゴー」の名前に、わくわくと胸を躍らせていました。
今思えば、大千秋楽の時まで気づかなかった「愚かな」安直な私へ教えてやりたいです。
詳しくは第三幕で書いていきます。
ここで神山智弘くんの出演した「オセロー」のあらすじをご紹介します。
ここはヴェニス。公国に仕えるムーア人の将軍オセロー(中村芝翫)は、人種を越え、元老院議員の娘デズデモーナ(檀れい)と秘密裡に結婚をした。
オセローの忠臣イアーゴー(神山智洋)は、副官に任命されなかったことで、オセローに深い憎しみを抱いていた。イアーゴーは、デズデモーナに横恋慕をするロダリーゴー(池田純也)をそそのかし、デズデモーナの父に秘密の結婚を密告させる。怒りに震える父は武器を取り、オセローと対峙するが、オセローは堂々とデズデモーナへの愛を語る。かけつけたデズデモーナからもオセローとの愛を知らされ、父は「父親を騙した女だ。騙されるぞ、おまえもきっと。」という不吉な言葉をオセローに残しつつ、やむなく結婚を許す。
そして、オセローはトルコ艦隊からの危機に備え、総督として急遽キプロス島へ向かうことになる。
オセローがキプロス島に到着すると、敵は嵐のため海の藻屑となり全滅した。勝利と結婚の祝宴が開かれる中、オセローを陥れる計画を練っているイアーゴーは、まず手始めに、副官のキャシオーを意図的に酔わせて暴れさせ、失脚させることに成功する。なんとしても復職したいキャシオーは、その助けを借りるため、デズデモーナとその侍女エミーリアを尋ねていく。イアーゴーは、あたかもデズデモーナがキャシオーと密会をしているかのように言葉巧みにオセローの心を揺さぶる。オセローは初めて嫉妬に悩み、若妻を疑う。デズデモーナは誓って貞淑で忠実だと訴えるが、嫉妬の枷にはめられたオセローはもはや聞く耳を持たない。さらにイアーゴーがでっちあげた浮気の証拠を事実だと信じ込み、疑惑は確信へと変わる。
愛を失ったことを嘆き、悲しい失恋の唄を歌い寝室で夫を待つデズデモーナ。オセローに改めて身の潔白を主張し、不変の愛を誓う。しかし、嫉妬に駆られたオセローは―――――――。
平成まで伝わったシェイクスピアの作品。
また、中村芝翫さん・檀れいさんという舞台に立ち続けるお仕事をしてきた人と名を連ね隣に立つことに胸は期待でいっぱいでした。
突然の代役、難しいシェイクスピアの台本でしたが、私は2年前に見た舞台 VBB*1で演じた蛍太郎が忘れられませんでした。
テレビでしか見たことのなかった神山くん。
舞台に現れたのは、「蛍太郎」で、気持ちをすべて持っていかれる。
目が離せなくなったのは
アイドルじゃくて役者 神山智洋だったからだと断言できます。
その、良い意味で期待を裏切ってくれた役者だからこそ、今回も、私の想像より何倍も何倍も素敵な演技を見せてくれるんだろうと安心できました。
また、ラジオを通して(たしか淳太くんが言っていたような)、神山くんがずっと台本を読んでること、読んでいる台本が分厚いこと、言い回しが複雑で大変なこと。
いっぱいがんばってること、メンバーにも私にもしっかり伝わっていました。
第2幕 気が付くと手元にチケットがいっぱいある
オタクあるあるだと思うんですが、チケットをたくさん手に入れてしまうことが多々あります。
気づいたらチケットが5枚と新幹線の往復切符が3セットありました。
総額は考えたくありませんが、「財布に金を入れときな」*2はこういう時に使うためにシェイクスピアが考えたんだと思います。
明確な意思のもとチケットをとりまくり、満足したところで発券をやめました。
全ての公演後にいくらかかったのか宿泊費・チケット代・交通費だけ計算したら、簡単に海外旅行に行けそうでした。
余談ですが、遠征でかさんでしまうのは食費です。
新橋演舞場周辺の美味しいお高いお寿司もたくさん食べたので、食費がえらいことになってるのはわかってるのであえて含めませんでした。
でも、満足感で心はいっぱいです。おなかもいっぱい。
築地で食べた最高にうまい寿司です。ご査収ください。
きっと神山くんを好きにならなかったら、移転してしまう築地にもいけなかったので全く後悔していません。
ニュースを見ていても、なんとなく築地のお引越しが頭に浮かんできてイメージもしやすかったです。教養もついたね!ラッキー☆(教養ではないかもしれない)
第3幕 最高の舞台をありがとう
これもあるあるだと思うんですが、自担ってどこにいても見つけれませんか?
遠くても、顔が見えなくても、担当センサーというか、「好き!!!!」って気持ちだけで、舞台のここにいるっていうのがわかるんですけど(あるあるじゃなかったらごめんなさい)、
イアーゴーは一瞬わかりませんでした。
VBBの時はヤクザであるなめくじ連合の一人、パーカーを目深に被っていても一瞬でわかったのに、イアーゴーはそこに神山くんがいないようなそんな気持ちになりました。
口を開いても、笑っていても、それは神山智洋じゃなくて、オセローの騎手イアーゴーでした。
鳥肌が立ちました。
だって、私が知っている神山智洋はダンスに全力で、透明なソプラノのような声で時に力強く、時に切なく歌い、ころころと表情を変えて演技する、 そんな「陽」の雰囲気をもった人だったからです。
舞台下手からロダリーゴーと船に乗りゆっくりと登場したイアーゴーにはもう元の姿の面影はありませんでした。
低く、常に鋭く睨み付け、誰も近づけさせない、イアーゴーそのものが憑依したようなそんな姿だったことを昨日のことのように鮮明に覚えています。
始まる前までは「自担に演じてほしい役すぎる」、とか、「策略家なの?どういうこと!?」とかなんだかんだ楽しみとかそういった高揚した気持ちだけだったものが、第一幕が終わった時にはどっと疲れが押し寄せました。
心が疲れたっていう感想に尽きると思います。
たった30分の間に私はまんまとイアーゴーに心を持ってかれました。
また、「良い舞台に出会えた。」とも思いました。
役者から目が離せなくなって、気持ち全部持って行かれる体験。なかなかできるものじゃないと思います。
ここからはいくつか気になった舞台のポイントを列挙したいと思います。
舞台を見ていない人にとっては少しわかりにくいかもしれませんがお付き合いいただくか、すっ飛ばしていただければと思います。
1.桶に縋り付き泣く女
デズデモーナはオセローと結婚し夜に屋敷から抜け出す。イアーゴーの護衛のもと元老院に向かおうとするオセロー。そこに、娘を攫ったオセローを探しにロダリーゴーとともにデズデモーナの父ブラバンショーが現れ口論となる。口論が治まると、棺に縋り付き泣く女が横切る。
原作にはないシーンで、脚本家のアイデアなんだろうけど、 安直にとらえれば、
「棺桶の中=失ってしまったもの」
「泣く女=イアーゴーの策略によって大切なものを失っただれか」
なのかなぁと思います。 それは、
⑴デズデモーナを愛していた勇敢なオセローと勇敢なオセローを愛し続けたデズデモーナ
⑵正直なイアーゴーと全てを失ったイアーゴー
その二択かなと現時点では考えています。
他にも、妻と旦那の関係にヒビが入り決別した…とか別れとかそういったものか、とか。
ラストのエンディングの伏線?と思っているんですが、だれかもっと面白い案があれば教えてください。
2. 名前の前につく枕詞
「勇敢なオセロー」とか「正直なイアーゴー」とかシェイクスピアならではの言い回しだとと思うんですが、そのセリフが二幕・三幕と続く劇の中でより一層感情を揺さぶられました。
私自身がすぐに感情移入する劇チョロ単純ということもあるのですが、
裏切りに裏切りを重ねるたびに「正直なイアーゴー」というセリフが重くなっていくというか、これだけ裏切りをはたらいているのに、オセローもデズデモーナも嫁のエミーリアでさえもまったく気づいていません。
また、2幕(イアーゴーの吹聴によりオセローがデズデモーナに嫌疑を掛け狂いだした)より後には「愛しいデズデモーナ」と呼んでいたオセローが「あの卑しい淫売め」と名前もよばなくなったことです。(たしか、鏡の間でぶん殴る時に一度名前を呼んでた)
この、名前の前に「~~な○○」といった言い回しがあったことでも、ストーリーがわかりやすく頭の中にはいってきたのかな…。
この時代の作品はどれもシェイクスピアのように飾り立てられた文章だったら、ただの恥ずかしい感想文になってしまうんですけど、まあいいや。
3.イアーゴーと女性の関係
イアーゴーと夫婦関係にあるのはエミーリアですが、私は本当に好きなのはデズデモーナだと思っています。(原作を途中までしか読めていない人間の言葉ですが、あくまで今回の舞台は、と思ってください。)
軍人で荒っぽいしゃべり方のイアーゴーですが、舞台のイアーゴーからは気品もあり(これは神山くんのお顔からの印象もありますが)原作とはまた違った感じ方をしました。
一幕か二幕で「俺はデズデモーナに惚れてる。性欲なんかじゃない」という台詞があるのですが、
美しい容貌のデズデモーナではなく、まっすぐ穢れなく人に向き合うデズデモーナに惚れているのではないかと思います。
その一方で、エミーリアとの夫婦関係も順調で、エミーリアのことも好きだったように感じます。
初恋の人をいつまでも好きでいるように、デズデモーナには密かな恋心…というのはあまりにかわいくなってしまいますが、そんなような感情だと思っています。
根拠としては、「3幕 ガラスの間でデズデモーナを抱きしめるイアーゴーの表情」 です。
愛する夫オセローから不義を働いたと疑われ、淫売と罵倒されたデズデモーナ。
「夫からの愛がないなら、心の平穏などいらない」と自分の潔白と生涯主人オセロ―へ忠誠と愛を祈り泣き崩れるデズデモーナを「泣かないで、泣かないで」と抱きしめ返したイアーゴーの表情はこの世のすべてから解放され、安堵しているようでした。
このシーンは鳥肌が立って仕方がありませんでした。
檀さんから目が離せなくなり、美しく、強く、夫への溢れんばかりの愛とそれと反する女性の儚さが全身に伝わってきました。
が、この感動が伝えられない。
あまりにも美しすぎて、檀さんの美しさを形容する国語力が私にない。もどかしい!!ああっ!!クソ!!(心のオセローが乱れる図)
…その儚く真っ白なデズデモーナと欲に塗れて真っ黒なイアーゴーが抱きしめた瞬間、イアーゴーが浄化されていくようでした。
きっと、見た人は全員このシーン好きだと思います。
でもでも、エミーリアのことも進行形の好きだと思うんだよなあ…。
伝えきれないので次へ行きます。
4.ロダリーゴーがかわいすぎる
多分、私をよく知る人なら「あぁ、好きそう」ってわかるくらいタイプでした。役も役者も。
ロダリーゴーは、デズデモーナにお熱で、お金持ちのぼんぼん、頭の弱い、所謂当て馬役だった。
みんな好きでしょう。
役者は池田純也さんというらしく、26歳の若さで脚本・演出にも携わり、既婚者らしい(ココ重要)
誤解はしないでほしいんですが、 既婚者めっちゃ好きなんですよ(誤解しか生まない言葉)
若手俳優に関して、全くわからないんですが、どうやら薄桜鬼の藤堂平助(好き)役もしてたらしい(好き)(好き)
関西ジャニーズJr.の今江大地くんも好きなんですが、
彼も池田さん同様お口がおっきい。かわいい。
というわけで、一幕でイアーゴーに目も心も奪われつつ、ロダリーゴーもかなり気になっていたし、2回目観劇に至っては、完全にロダちゃんロックオンの時もありました。
「世界全部をくれると言われたって、わたしがそんなことするなんてとんでもないことだわ」*3とオセローへの愛を誓うデズデモーナの姿を見ながら、バチバチにあの人以外に喜びを見出してしまっていました。
キプロス島で、オセローがデズデモーナの手を引き、腰を抱き、キスをするたび、もの影に隠れていたロダちゃんが届かない手を伸ばし悔しい思いをしている…。
いいわぁ~~~。
最終的に、イアーゴーにそそのかされ、田舎の土地も全部売って作ったお金も「無くなっちゃった」ロダちゃんは、闇夜でキャシオー殺しの罪を被せられ、イアーゴーに刺殺されます。
「騙したな…イアーゴー…」 痙攣して絶命。
今、気づいたんか~~~い!!遅いやないか~~~い!!
抱きしめるような形で腹をひと突きした狂った表情のイアーゴー、
最後の最後までイアーゴーに頼ることでしか行動できなかったロダリーゴー。
最高かよ。
最後に、
シェイクスピアの舞台ということでかなり身構えていたのですが、観劇してみるとすごくわかりやすい。
以前、友人(池田純也さんのDVD借りることになりました)がシェイクスピアの本は読みやすいよ~といっていたのですが、どうしてもあの台本形式の文体を読み進めることができず、二幕までしか読めないまま東京へ向かったにもかかわらず、あんまりあれやこれやと考えなくても楽しめました。
作品が作品なだけあって、観劇後に疲れるのは言うまでもありませんが、 それ以上に神山くんが目に見えて弱っていってるのがわかったのがつらかったです。
初めにも書きましたが、彼の演技は「イアーゴーが憑依したような姿」で幕が降りた後も曇った表情で役が抜けきるのに時間がかかりそうなイメージを受けました。
月の中ごろが一番役に憑りつかれてるようで、最後の方はもう少し軽くなったかな?といった印象でした。
でも、私の憶測を飛び越えて耳に入ってきたのは千秋楽の挨拶での声でした。
掠れて、声を出すのもやっとというような声で、いつもの神山くんよりやつれたような表情でにっこり笑って挨拶をしてくれました。
胸の奥で熱い血液がどくどくと流れるのを感じました。
「結構しんどそうだな」とか「前より少しましかな?」とかじゃない、全然大丈夫じゃない。
今すぐゆっくり休んでほしい。
神山くんはオタクの予想よりずっとずっとイアーゴーに憑りつかれていました。
9月17日MステウルトラFES2018で「いつもより笑顔が少ないのは疲れてるんじゃなくてイアーゴーが残ってるからだ」と勝手に理想を押し付けていた自分を殴りたい。
こんなにも疲れた状態で、36公演やってのけたのかと。
私が観たのはそのうちのたった5公演だけど、いつの公演であっても、同じクオリティで私たち観客を楽しませてくれました。
幕が上がっているときに一瞬たりとも疲れは見えなかった。
彼のプロ根性をこの目で見ました。
いつもは孫を見るような気持ちで「かわいいねぇかわいいねぇ」とおもっていた神山くんがいつもの何倍も何倍も大きく見えて誇らしかったです。
神山くんはどこに出しても恥ずかしくない私の自慢の担当です。
全36公演、カンパニーのみなさん、神山智洋くん、お疲れ様でした。
いっぱい休んで、いっぱい美味しいもの食べて、回復していつものピッカピカの笑顔をステージでみせてください。
P.S.
更新された有料ブログサイト「なにわぶ誌」でも神山くんの本音が知れました。
ただ、それをここで書いてしまうのはルール違反な気がするのでぜひ課金してみてみてください。